恐怖症シリーズが続いています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
早速ですが、
先端恐怖症は英語(医学英語)ではたくさん言い方があります。
aichmophobia(エイクモフォビア)、
もしくは、belonephobia(ベロネフォビア)ともいいます。
そして、enetophobia(イネトフォビア)もあります。
aichmo はspear 槍、belone は needle 針、eneto は pin をそれぞれ意味する。(ギリシャ語。正確には語尾のoは接尾語なので違う)
他にも、fearof.netの世界の恐怖症ランキング20位にランクしていた、
trypanophobia(トライパノフォビア)
a fear of needlesと、サイトには書いてあるけれど…。
trypano は drillドリル。
この4つ出てきた難解な単語たち。起源や使い方に議論がなされ、物議をかもしているのだとか。
難解な、-phobiaという言葉。全てギリシア語由来です。ゆえに英語ネイティブも自分と関係なければ、あまり知らない。そうです。難解なのです、恐怖症(phobia)の単語たち。
先に書いたものを、まとめると、
- ①Aichmo は英語では spear(spear point)
- ②Belone は英語では needle
- ③Enetoは 英語では pin
- ④Trypano は英語では drill
全て尖っている。
調査結果を見ていこう
④Trypanophobia は1994年に Diagnostic and Statistical Manual (DSM:診断統計マニュアル)に載った最も新しい先端恐怖症の言い方で、これは病院や医療現場での注射針や、注射をする一連の行為自体への恐怖をさすそう。注射が怖い!という人は、これ。
①Aichmophobiaは広義の尖ったものの恐怖症を指すそう。pencils, pens, needles, pins, scissors, and other common household itemsへの恐怖を指すとある。
そして、②Belonephobiaは特に針(注射針)とピンへの恐怖とある。
針や画鋲の先など、本当に細く鋭いものへの恐怖という理解で良かろう。
①Aichmophobia の方が、②belonephobia より広義で使い勝手が良さそう。
Dictionary by Merriam-Websterによると、
単語の医学的な定義は、aichmophobiaが、ハサミや注射針などの恐怖を指す一方で、
Belonephobiaは、注射針の恐怖のみと定義されていた。(つまりは、針のように細いもののみ)
そして、同辞書によると、①Aichmophobiaの方が使われはじめは古いようで1893年から、
②belonephobia は1909年からとある。
③Enetophobiaはどこにもあまり触れられていない。切ない。(死語になりつつあるのだろうか。推測)
①Aichmophobiaだけ唯一、我らがwikipedia先生のページにすぐたどりついた。その中に「belonephobia、enetophobiaとも言う」と書いてある。
そして、最も新しい単語④trypanophobia の wiki先生ページは、なにも記載がなく、ただ、Fear of needles (注射針) のwiki先生ページに、飛ぶようになっている。
そして、Fear of needles のwikiページには、④trypanophobiaと、①aichmophobiaのみ登場し、①aichmophobiaは先述もしたが、広義の先端恐怖症で、④trypanophobiaは注射やそれに関連する医療行為への恐怖で、2000年中頃から広く使われるようになった、とある。
色々見えてきた。
だがまて、先端恐怖症には、
Needle phobia という表現があるらしいではないか。
これが簡単なので、これを使えば分かりやすくて良い。
日本のwikiページには、belonephobiaとしか記載がなかった。こちらがギリシア語では、needle針を指すため、先の、Needle phobia という簡潔な言い回しにより、狭義にそうとらえられているように感じる。
検索をかけると、Aichmophobia、belonephobia、trypanophobia
どれも一様に、a fear of needles と表現されている一方で、
①Aichmophobiaは、言い換えられて、a fear of sharp objects /pointed objectsという表現が多くあるように感じた。
④trypanophobiaは、a fear of injections という風にされているところもある。なるほど、injection(注射)に特化した恐怖症だ。
そして、疎外感の拭えない enetophobiaは a fear of pins とされているところが少ない中に、あった。
結論、どれを使おう?
ここまで見てきて、さて、どれを使いましょう。
Needle phobia 一択でしょうか。
特に注射が怖いという人は、④trypanophobia
注射も含め、ハサミや鉛筆までいろいろ家にある尖っているものが怖い人は、広義の①aichmophobia
②belonephobiaだと、かなり細い尖ったもののみが怖い人が使うといい。
Enetophobiaは…ピンへの恐怖?。ほぼ使われていない印象。
お好きなものをどうぞ。そもそも口語では、ほぼ使われない。笑
口語表現の例文を見ていこう。
例文
Do you have any phobias?
なにか恐怖症がありますか?
I have a fear of pointed objects.
先端恐怖症です。
I have a phobia of needles.
注射恐怖症です。
I’m so scared of shots.
注射が本当に怖い。
I hate needles.
注射きらい。
She felt faint before the blood test.
血液検査の前に倒れそうだった。
*注射はinjectionという単語があるが、日常会話ではあまり使われない。
Shotが注射する行為、needleは注射それ自体をさす。
I got a shot.注射した。という風に言える。
まとめ
先端恐怖症は、たくさん言い方がありましたね。
ひとつの言葉を見てもいろいろ意味があって、面白いですね。
注射が怖い人はこれでご自分の恐怖症を伝えてみてください。