鴨長明の「方丈記」
始まりは皆さんもご存知、
“ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず“
英語にするとどうなるか、文献を探すと、こんなものを見つけた。
英語で読む鴨長明「方丈記」
英語で読む方丈記
Visions of a Torn World
鴨長明 (著者)、森口靖彦 (翻訳)、デイビッド・ジェンキンス (翻訳)、伊藤裕美子 (英語解説)
Weblio辞書には、以下のように記載されていた。
The river never stops running, and the water is never the same as before. The bubbles are floating on the pool; some bubbles are disappearing and some are coming up; they will never be the same.
weblio辞書
ゆく河の流れは、the flowing river の方が日本語訳により寄せているように見受けられるが、
河が絶えず流れているのは、never stops running の方がイメージがしやすいように感じる。
まぁどちらにせよ、とても美しく河の流れが表現されているように思う。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。の文には、無常を極めた鴨長明の儚さみたいなものがあって、近くを流れる川を見てぼーっと散歩していると、ふと頭をよぎる。
イライラ対処に方丈記の一節を

栄枯盛衰なんて言葉も世の中をよく表している。
自分にももちろん当てはまる。誰にでも当てはまる。どんな惨めに生きている人も、卑しくてっぺんで仰け反ってる人も、皆等しく無に帰る。
最近、でもないが、とても嫌なことがあった。そんなときも、この鴨長明の言葉を思うと少しだが気が晴れた。
息子を医者に連れていった時のこと。その医者のなんと横暴なこと。初めて行ったクリニックだった。受付のお姉さんがやたらめったら優しい。受付では感じのいい医院かと思いきや、先生が横柄横暴。
診察を受けてなにゆえ受付のお姉さんがやたらめったら優しいかが分かった。初めてだったので帰りに診察券を貰った。いらなかったが、お姉さんがやたらめったら優しいので一応貰っておいた。家に帰って捨てた。
どうにもイライラすること、ないでしょうか?子育てをしてるとまた思うようにいかないこともしばしば起こります。子にも夫にもプリプリ。怒っても怒ってもどうしようもないけど、イライラする。だって人間だもの。
一旦イライラして、しばらくしたら、考え方も冷静になって、落ち着きます。ゆく河の流れはー、なんて考えると、またいい具合に落ち着きます。あの医者もいろいろなバックグラウンドがあって、考えるところもあって。いろいろあるのだ。きっと。
不謹慎ですけど、2019年の台風でものすごく被害がでましたよね、今も不便な生活をされている方がいらっしゃって、大変な状況かと思います。
その台風も過ぎ去り、しばらくして、新宿御苑に遊びに行きましたらば、至るところで大きな木が無惨にも折れてしまっていて、そのまま地面に横たわっていた。大きく枝を広げた木ほど、ボロボロに折れていたように思いました。若い小さな木は風に煽られる部分も小さいので持ちこたえられるのでしょうね。それを見ていると、あの医者も、私も誰だっていつかは滅びる。そう思い気が晴れた。とても不謹慎ですけど。
だって、人間だもの。(ドーン)

ゆく河の流れは絶えずして、
鴨長明「方丈記」より
しかも、もとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは
かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人と
栖とまたかくのごとし。
嫌なこと、嫌なやつ全部丸めて川にぽーいのイメージで(本当にやったらだめですよ。川が汚れる)、人生を乗りきりましょう。いつかは全部泡みたいになくなります。