最近理解したことがあるのよ。タイトルの通りなのだけど。
息子がイヤイヤ期に入ってから一年くらいたったかしら。もうすぐ3歳になるわ。
3歳のほうが2歳より難しいお年頃になるとは聞いていたけれど、
本当にそうね。
最近のイヤイヤは、それはそれは目に余るイヤイヤよ。道路で泣き叫んでいると、周りを歩くおじいちゃんおばあちゃんが、元気ねー、と声をかけてくれるわ。とても救われる瞬間ね。
もうそれはそれは大変なのよ。
そして、理解したのよ。
ゴン蔵のかあちゃんだって、最初からゴン蔵に
バカ言ってんじゃないよ
なんて、言ってはいなかった、ということよ。
ゴン蔵のかあちゃんだって、ゴン蔵が産まれてから、いや、ゴン蔵を身籠ってから、
この子は死んでも守る、なんて愛しいの、そんなことを思って、お腹を撫でて声をかけていたに違いない。
産まれてから、家にやって来てからも、寝てるゴン蔵を見ては、息してるのかしら?と何度も確認しただろうし、オムツが濡れてイヤなのね。ミルク飲めてるかな?何で泣いてるの?お腹すいたのね。かあちゃんはここよ。
愛を与えて与えて与えて、目に入れても痛くない宝物だったことだろうよ。ガン蔵(夫)なんか、ボス修行で放浪に出てたから、ワンオペもいいとこよ。(実は浮気で追い出されていただけだったけど)
いい天気だね、アリさんがたくさんいるよ。そんなことを言って、ゴン蔵の手を引いてお散歩をしただろうに違いない。
お砂を投げたら目に入って痛い痛いなるよ。
叩かれたらかあちゃん痛いなぁ。
ゴンくん、ちゃんとお椅子に座って食べるのよ。
ゴンちゃん、歯を磨いてねんねしようね。
きっとゴン蔵のイヤイヤ期がはじまってもしばらくは、きっとゴン蔵のかあちゃんだって、こんな感じだったに違いない。
私もそうよ。
まるでたけしの母みたいだったのよ。(たけしの母は未亡人となっても明るく優しい母として描かれている)
静かに、根気強く、優しく諭していたのよ。今もほとんどの時間はそうよ。声を荒げたりしないのよ。
でも、ある時、もう何度も何度も、何度も言っても同じことを繰り返すことがあったのよ。
もう、いい加減にしなさーい!と大きな声を出してしまったわ。リーダー睨みばりの顔をしていたと思う。
何だったかしら、パンで遊んで部屋をパンくずだらけにした時だったかしら。食べ物で遊んではいけないと、その都度言っているのよ。食べ物は食べるためのもの。食べ物も食べて貰えなくて悲しいっていってるよ、なんて言うかしら。
でも、その時は、掃除もしたばかりで数日ぶりにきれいになった部屋にまたパンくずが散らばっていたから、その光景をみて驚愕してしまったのね。
そして、そのもういい加減にしなさい、の発言の後に、ゴン蔵のかあちゃんの気持ちがわかった気がしたのよ。
私はいつでもたけし母のようであったのよ。本当よ。そんな母でありたいと思っていたのよね。きっと世の中の母は大体そうだと思う。
そんな私も、まるでゴン蔵のかあちゃんになったかのような気がしたのよ。
あ、これか。
ゴン蔵のかあちゃんも最初からあんなんじゃなかったのね。
彼女もこの過程を経て、あのパーソナリティーを持つ母となることを余儀なくされたのね。
その考えに至ったのよ。
うちの息子、たまに本当に悪魔に見えるわ。
3歳児は、悪魔の3歳と言われるわね。2歳は魔の2歳よ。魔が悪魔に進化するのよ。
そのときがきたらBボタンでキャンセルしてみたい気分ね。でんきだまでも持って貰えれば能力は2倍よ。(あ、そもそも彼らは石がないと進化しないわね)
やっぱりいつでも優しく穏やかな母でいたいのだけど、どうしようもないときもきっとあるのよね。しょうがないのよね。
子どもに親にしてもらったんだから、その子どもの個性に合わせた母が形成されるのが必然よね。
その子どもの個性は親が作るのかしら、どうなのかしら。卵が先か鶏が先か。私にはちょっとわからないわ。
でも、ゴン蔵みたいな立派なボスになるなら、それもいいかなと、最近思うのよね。ゴン蔵が立派かどうかの異論はもちろん認めるわよ。
ヒロシ曰く、もっとも大切なのは、人間の心
だからね。